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from 一心塾 ー 心身教育研究所 ー

カウンセリング、フォーカシング、仏教、ヨーガ

ぴったり言葉のワーク

 毎月行っているフォーカシングの研修会、「フォーカシング・サンガ」では、最近「ぴったり言葉のワーク」を毎回行っています。フォーカシング・サンガでは8人位で輪になって座り、その中で語り手と聴き手の二人が、ちょっと向き合うようにして座り、フォーカシングのセッションをします。他のメンバーはそれを傾聴します。語り手は、何を語ってもよいのですが、聴き手がうまく伝え返しを行うことで、だんだんに、語り手が一番言いたかったところ、「ぴったり言葉」にたどり着いていきます。
 最終的に、聴き手はその「ぴったり言葉」をメモ用紙に書き留め、それを読み上げた上で聴き手に手渡し、こう尋ねます、「私は、この言葉は“ぴったり度”◯◯%くらいだと思いますが、いかがでしょうか」。語り手は、自分の感覚でぴったり度を答えます。
 語った言葉が自分の感覚に合っているかどうか、合っているとしたら何%くらい合っているのか、このような感覚と表現のリアルタイムな照合作業が「フォーカシング」です。表現は言葉に限りません。動作でも絵でも良いのですが、私たちは普段、言葉を表現手段として最も多用するので、やはり感覚に合った言葉を使えるように普段から少しでも意識していることが大事だと思います。
 不思議なもので、聴き手の方も、語り手の発したぴったり言葉が何%くらいのぴったり度なのかが、何となくわかります。何となく分かるから良い聴き手にもなれます。
 「ぴったり言葉」は、最初から語り手の意識の中にあったわけではありません。語る内にだんだん焦点が絞られてくるのです。あるいは思いもしなかった言葉が飛び出して、それがとてもぴったりだったりします。また、このようにして言葉が紡がれることで、語り手の気持ちが一歩進展します。そしてなにか新しい決意のようなものが生まれるのです。
 たとえば、最近、私がフォーカシング・サンガのなかで他のメンバーに聴いてもらいながらたどり着いた言葉は、「誠意を尽くしていこう」でした。今、仕事を進める上で困難なことがあり、もやもやしていたのですが、この言葉で光が見えた気がしました。それこそ相手の方が誠意を持って聴いてくれて、またメモ用紙に書いてくれた文字は、私にとっての宝物ですので、机の前に貼ってあります。これを眺めながら、しばらく困難な仕事に向き合っていけそうです。