from 一心塾 ー 心身教育研究所 ー

カウンセリング、フォーカシング、仏教、ヨーガ

カウンセリング

被害感情 <一心塾だより 第38号>

前回書きました「批評家」については、反響がいつも以上にあり、改めて批評家に悩まされている人は多いものだなと思いました。また、反響の中に「被害感情について知りたい」というコメントがありましたので、今日はそれについて考えてみたいと思います。 被…

現実認識を歪める思考を見極める

前回はネガティブ思考やポジティブ過ぎる思考の止め方について書きました。簡単に言えば、「この思考は現実認識を歪めている」と気づいて、呼吸にしばらく集中することで平常心に戻るよう日々練習するのみです。 やり方は簡単ですが、私たちはそのような思考…

「向き合う」ということ

ヨーガのアーサナ(ポーズ)を行うときに、「一番刺激のあるところに集中します」と指導してたのだが、今日から「一番刺激のあるところに向き合います」と、言い方を改めることにした。 「意識を向ける」という意味では両者は同じことなのだが、「集中」の対…

変化を求める教育と、自発的変化を促すカウンセリング

私が力を入れて行っているフォーカシング・サンガでは、安全・安心ルールというものがあって、「守秘義務」、「どんな気持ちも尊重する」、「変化を求めない(心が自発的に拓ける過程を尊重し、支援する)」となっている。 中でも「変化を求めない」というこ…

「一致的応答」 一心塾だより 第26号

相手の気持ちが楽になり、自然な変化が促される対話法として二つの態度があります。 一つは相手の身になって聴く、共感的傾聴。もう一つは共感的傾聴を一区切りした後に、自分の心に湧き上がっていることを相手に伝えること。こちらの方は「一致的応答」と名…

内なるモンスターのあしらい方

自分のやることなすこと考えることに対して、強烈なダメ出しをするモンスターが住んでいるという人が、意外と多いようです。 例えば、「今日は買い物に行ったついでに、新しくできたカフェをちょっと覗いてみようかな」なんて思った途端に、「バカなこと言っ…

因果を見るということ

因果というのは原因と結果です。因果を見るというのは、原因と結果のつながりについて観察し続けるということです。 私はくしゃみが出やすい体質のようで、風呂上がりにしばらくすると立て続けにくしゃみが出ます。すると頭が熱くなってボーとしてしまいます…

傾聴に必要な二つの力(一心塾だより 第24号)

「東ロボくん」をご存知でしょうか。東大合格を目指すロボットなのですが、このプロジェクトを率いた新井紀子先生の目的は、AIにできなくて人間にできることは何か、を明らかにすることでした。それが「意味を理解すること」つまり「読解力」だと言うのです…

人の話を聴けるということ

人の話を聴けない人がいます。この人は相手の視点を理解できず、自分の視点でしか相手のことを理解しようとしないので、多くの会話はすれ違いとなります。 思い込みが強く、「相手はこう考えているに違いない」と断言的に受け取り、またそのように主張します…

ロジャーズの3条件とフォーカシング

有効なカウンセラーであるための中核的な条件として、ロジャーズが「自己一致」、「無条件の肯定的関心」、「共感的理解」という3条件を示したことは非常に有名で、ロジャーズ派のカウンセラーはこれを金科玉条のごとく守ろうとしてきました。 「自己一致」…

体験過程尺度について

リスナーをする上でも、日常で人の話を聴く際にも、以下の「体験過程尺度」*を知っておいて、それに当てはめながら話を聴く習慣をつけると、フォーカシングの理解やリスニングの上達に役に立つと思います。 <出来事中心の段階> 1,(体験過程尺度が非常に…