from 一心塾 ー 心身教育研究所 ー

カウンセリング、フォーカシング、仏教、ヨーガ

「芯の強さ」とは?

先日ある方にお会いして、「とても芯の強い人だなあ」という印象を持ちました。苦労を重ねた経験もお持ちでしたが、楽観的でポジティブな考えの持ち主でもありました。

 その方とお会いした後、「芯の強さって何だろう?」と少し考えてみました。

 ヨーガのアーサナでは姿勢を支える筋肉を鍛えて柔軟にします。鍛えないと柔軟になりません。姿勢を支えているのは骨に近いところにある内筋(インナーマッスル)と呼ばれる筋肉です。これが弱いままだと、硬くなることで骨を支えようとするのです。硬いとアーサナのようなストレッチ系の体操が苦しくて避けようとしますから、ますます硬くなるという悪循環になります。

 日常生活の中で姿勢を乱さないようにしたり、なるべく立っている時間を増やすことで、少しずつ内筋が鍛えられ、アーサナが楽しくなってきます。身体的な面で「芯の強さ」というのは、このように内筋の強さ・柔軟さと言い換えられるのではないでしょうか。

 では心の方はどうでしょう。身体の芯が強ければ、心の芯も強くなると単純なことは言えません。しかし心と身体は構造がよく似ていると私は常々感じています。ですから心の芯が強い人とは、心の内筋が鍛えられて柔軟な人と言えるのではないかと考えてみました。

 どういうことでしょうか。心の内筋は「面倒くさい」とか「どうして自分がそれをやらなきゃならないの?」というようなマイナスの思いを持つことなく、さっと行動に移すことで鍛えられます。この心構えを持っていれば、自然と生活や仕事上の技術が培われていきます。そのように鍛えられた心の内筋は柔軟さを備えるようになります。それは人に対する「優しさ」です。細かい気配りができる人はやはり「心の芯の強い人」と言えるのではないでしょうか。