一心塾だより 第2号
ヨーガの「戒(かい)」について
ヨーガのアーサナ(ポーズ)、呼吸法、 瞑想についてはよく知られていますが、 実はヨーガの修行にはその前段に「戒」があります。 禁戒と勧戒に分かれ、全部で10項目ありますが、 今回は禁戒の第一番「非暴力」について考えてみましょう。 ごく当たりまえの道徳なのですがとても合理的な心の健康法でもあ ります。
非暴力は、言葉や態度による暴力も含みます。 暴力的なことを心で思うこともできるだけ控えます。 思っているうちに必ず態度や言葉に出てしまいますから。
また自己卑下も自分に対する暴力です。 誰かに自分の考えを押し付けるのも暴力です。そう考えていくと、 私たちの身の回りには暴力が溢れています。
戒というものは完全に守ることはできません。 日々思い出して内省の糧にするものと捉えた方が良いと思います。 また、戒を持つことを「不自由」と考えるのは逆です。 私たちの心は戒から離れるほど不満や怒り、憎しみが多くなり、 不自由になっていきます。
小さな暴力を他者や自分に対して行っていれば、 そのうちに暴力に対して鈍感になってしまいます。 暴力は確実に連鎖し、 最終的に自分と周りの人たちを不幸にします。
「非暴力」の戒に徹する人は、全ての人、 すべての生き物に愛されるとヨーガの古典には書いてあります。 それは当然そうでしょう。徹することは至難ですが、 目指してみませんか。
「非暴力」の戒に徹する人は、全ての人、
ところで、ちょっとひどいことを言われたとか、 傷つくことは日常多々ありますが、 その場合はどうしたら良いのでしょうか。私は「こころの天気」( http://www.sinsined.com/tenki) を描くことや「フルーツイメージ法」(http://www. sinsined.com/single-post/ fruit)をおすすめします。 自分で自分の心をケアする習慣を持てば、 暴力を暴力で返すという反射的な愚行を避けられるのではないでし ょうか。そしてできるだけ、相手に対して親切(http:// www.sinsined.com/single-post/ kind)に接することで、 再び傷つけられることは減るでしょう。