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from 一心塾 ー 心身教育研究所 ー

カウンセリング、フォーカシング、仏教、ヨーガ

フォーカシング入門 4 観察する力

 前回はマイナス思考してしまっている自分に素早く気づいて、呼吸を意識することでそれを切り抜けるという話題でした。
 マイナス思考の他にも、人や物事のマイナス面ばかりを考え続ける“批判思考”、何か腹立たしいことに気を奪われて、ますます腹立たしくなってしまう“怒り思考”、悲しいことに気を奪われてますます悲しくなる“哀しみ思考”などがあります。これらの思考の癖は私たちを感情の渦に巻き込んでしまい、感覚を鈍らせ、正しい状況判断を妨げます。いろいろな感情が湧くのはとても自然なことですが、それに巻き込まれかかっている自分自身の状態に素早く気づける「観察する力」を育てなくてはなりません。その強力な方法が瞑想とフォーカシングです。
 思考の癖によって大きくなった感情を野放しにすると自分も困るし周りも迷惑します。ですから感情に巻き込まれるタイプの人は、逆に感情を抑える努力を密かにしていることがあります。それでときどき爆発するのです。またゲームなどにのめり込んでしまう子も同様の思考癖を持っていて、ゲームによって思考を抑える必要があるのかも知れません。つまり依存症的な行動の裏に感情に巻き込まれる思考癖があると考えられます。単に思考癖を止めるだけなら鼻歌を歌うのも有効でしょう。
 それでは感情はどのように扱ったらよいのでしょうか。感情や欲求は人間の生きるエネルギーそのものですから、単に抑えてしまうのでは生気を失い、生き生きとした表現もできなくなってしまいます。思考の癖の影響を受けないうちの、まだ感情になりきっていない“感じ”に気づいて、それを上手に表現すること、それがフォーカシングです。生きるエネルギーをコントロールしながら創造的活動に変換していく方法です。自分一人でできる手軽なフォーカシングの方法として「心の天気描画法」をご紹介しましょう。
 A4の紙の上半分に枠を引き、今の心の様子を天気に例えて色えんぴつで絵を描きます。もちろん上手下手は関係ありません。気持ちにぴったりな絵を描くことが大事です。天気の他に景色や木や花、人物、動物などが出てきても構いません。描き始めるとスッスーと手が動くものです。
 絵を描き終わったら、下の欄に「つぶやき」を書きます。絵の説明や、どうしてこんな天気なのか理由、その他何でもつぶやきたいことを書きます。言葉にならなかった“感じ”が絵を描くことで言葉になっていきます。
 つぶやきから言葉を拾って「心の俳句」を作ることもお勧めしています。