from 一心塾 ー 心身教育研究所 ー

カウンセリング、フォーカシング、仏教、ヨーガ

自己嫌悪

「自己愛」という精神医学的な症状名があるが、「自己嫌悪」という症状名はない。しかし一般的に使われる言葉を臨床に適用した方が、より正確に臨床像を描写できるという考え方がある。それには私も大賛成だ。というわけで「自己嫌悪性パーソナリティ障害」という言い方はどうだろうか。これはひどくなるとうつ病になる。自己愛も自己嫌悪も、どちらも「自己」にこだわるのだ。自己にこだわらざるを得ないのは甘えが満たされていないからで、甘えが満たされないからエネルギーが低い。エネルギーが低いと手っ取り早い甘えの満たし方として「自己」に依存するタイプの人が多くいるのである。
 自己嫌悪については、フォーカシングでは「批評家」というラベルを貼って処理する。いつも頭の中で自分に対して否定的な見解を述べる厄介な声のことを批評家というのだが、自己嫌悪と同義と言っていいだろう。
 しかしフォーカシングでは批評家とうつの関係について何か論文があっただろうか。これはちょっと調べてみないといけない。